阿片王―満州の夜と霧

阿片王―満州の夜と霧 (新潮文庫 さ 46-8)を読みました。

満州って、そんなに大昔なことではないのに、 実際どうだったのかとか、ほとんど知らない。 学校の社会の授業でも、そんなに多くは触れられなかった。

この本読んで、ウッヘーマジかよって感じで。 そもそも阿片が、ケシが原料だってことも知らなかった。 んで、ヘロインとの違いは、モルヒネの割合が、 ヘロインの方が格段に高いことだそうで。 モルヒネって、ガンになった人が使うあれだよね、と。

で、満州建国にあたって、その阿片の流通なくして、 それが成り立たなかったと。

里見甫(さとみはじめ)という日本人が、 青幇(チンパン)という中国の秘密結社と連携して、 阿片をさばくことで、莫大な利益を得ていた。 その金が、日本軍に流れて、資金源になっていたと。

この本には、その阿片の取引に絡んだ、多数の人物やエピソードが テンコ盛りで、相当読み応えがありました。 (最後の方は、なんか読んでて、微妙だったけど・・・)

とにかく里見甫は相当器の大きな男で、 私利私欲に無頓着で、筋を通し、 いろんなところに金をばらまき、(総理大臣とかにも) 酒は一切やらないが、女に関してはそれはそれは。

当時の上海の租界の話など、 昔はみんな質素に暮らしてたイメージがあったが、 そうじゃないヤツもいっぱいいたんだなって。

里見甫の葬儀の際に、頭蓋骨がピンク色だったっていうのは ちょっとショックだったけど。(阿片常習者の特徴らしい)

自分はサラリーマンとして、小さくまとまった人生歩んでるけど、 こういう人もいたんだなぁって。それも、つい数十年前まで生きてた人で。

そういえば、もう亡くなってしまった自分の祖父も若い頃、 満州にいたっていう話を聞いたことがある。 当時のエピソードとか聞いてみたかったな。。

一生懸命、戦国時代の勉強するのもいいけど、 学生時代、もっと近代のこと勉強したかったな、とか思います。