昭和史 - 半藤一利

昭和史 1926-1945昭和史 〈戦後篇〉 1945-1989を読みました。

半藤一利さんの幕末史を先月読みまして、すっげー面白かったので、 そのまま、引き続き昭和史も読みました。

とにかく内容はガッツリ満載で読み飛ばすところはほぼゼロなので、 1冊読むのに5~6時間はかかったはず。 風呂場だけでは、読むペースが上がらないので、GW中の電車の移動時間とかも この本を読むのに使いました。

まぁ10数時間で昭和の歴史を駆け抜けられるってのは、

時間を損したという気分にはなりませんが。。

戦争に突入していく様は、ITエンジニアをやっている人なら経験あるであろう、 デスマーチに雰囲気が非常に近いような気がしました。

特にこれといった長期的視点での戦略もなく、 場当たり的に、今そこにあるリソースを使うだけ使って、 かっこいい言葉とともに突き進んで、結果は後からついてくる的な。

なんとなく、もう少しマシなというか、考えられた上で、行動していたのかと 思っていたので、いろいろとショックでした。

東京裁判が微妙だったのも、それに付随してる部分があるなんてのも

はじめて知りました。

まぁ、この本に書いてあることを、完全に全部を鵜呑みするのもどうかと思いますが、 話半分にしたって、ひどいよな、、と。。

二二六事件というクーデターから、悲惨な方向に、 グッと舵がとられていったような印象ですが、 誰だって自分の命は惜しいというか、おっかないわけで、 今だって、自衛隊の人たちが強引にクーデター起こしたりしたら、 わっかんないんじゃないか、なんて思ったり。

んで、普段全くナショナリズムとか意識しないですが、 山本五十六がやられたときは悲しい感情があって。 ミッドウエー海戦のエピソードには悔しい感情があって。

何よりも、一番見方が変わったのは昭和天皇について。 なーんもせずに、なーんも知らずに、ただそこにチョコンと居た人なのかと思ったら、 全然違うんですね。

自分は昭和54年生まれなので、物心ついて頃にみた昭和天皇っていったら、

完全にヨロヨロっとしたおじいちゃんでした。

ちゃんと見識があって、バランス感覚があって、常に国のためを思って行動していたんだな、と。

戦争が終わって、GHQのエピソードとか、そうだったんだなーって。 自分は海老名市出身なので、厚木基地はかなり近所でした。

アホみたいな話ですが、アメリカ兵に中指立ててファックユーってやったヤツは偉い

みたいなのがあって、塾の友達と一緒に厚木基地の入り口の方まで行ったけど、

おっかなくて何もせずに帰ってきたこともありましたw

マッカーサーが飛行機から降りてきた写真は、なんとも思っていませんでしたが、 丸腰でっていうのも、すごいことだったんですね。

マッカーサーって厚木の飲み屋とか学生の頃たまに行きましたけど。

アメリカも手の平返したように、日本に軍備をせまったりとかで、 なんだそりゃとか思うこともありましたが、朝鮮戦争だけじゃなくて、 いろいろと日本も運が良かったんだなって思うこともあったり。

日本の軍備を強引につっぱねた吉田首相とか、安保条約改定の岸首相とか、 所得倍増の池田首相とか、沖縄返還の佐藤首相とか、中国国交正常化の田中首相とか、 なんか目的意識がハッキリあって、汚い金の話とか沢山あったんでしょうが、 今よりも熱いよな、、なんて思ったり。

ブワーっといろいろ書いてみましたが、こんな風に思ったこを全部書き出してたら、 キリがないですが、読んで良かったなと思える本でした。 と、同時に、違う観点での、昭和史も読んでみたいな、と。

あとは、昔は情報が限られてたから、一般市民は損だよな~なんて思いました。

今は、日本の情報だけでなく、インターネットに国境はないので、 英語が分かれば、諸外国が何を考えているのかなんていうのも、容易に入手することができるし。

今の時代に生まれて良かったなと思うと同時に、 それを享受して生きなきゃもったいなと。