闇市の帝王―王長徳と封印された「戦後」

闇市の帝王―王長徳と封印された「戦後」
七尾 和晃
草思社
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戦後の混乱期の話は、渋谷は安藤昇とか、新宿は尾津喜之助とか、 知っているのは、それくらい。

で、この本はっていうと、そのヤミ市を建てたフィクサーというか。 中国の進駐軍(アメリカだけじゃなかったんですね)として、日本に来て、 莫大な資金を手に入れて、やりたい放題やりながら、 戦後の混乱期を駆け抜けた、王長徳という男の話。

名前とかも全然聞いたことなかったけど。 内容もググってもあんまり出てこないことが多い。

どこまで本当なのかよくわからないことも多いけど、 夏目漱石の息子が王が作ったヤミ市に店出してたとか、 銀座で10円札バラまいてアサヒグラフにのったとか、 エピソード的には数十年前の話だけあって身近に感じて興味深いものが多くて。 阿片王―満州の夜と霧を読んだときと似たような、へーっていう感覚。

戦後の混乱期のカオス的な東京の姿とか、 もうちょっと深堀りして、調べたり本読んだりしても面白いかなとか。

こんなときに、死んだじいちゃんが生きてればなぁとか。 酒でも飲みながら、戦後の混乱期のエピソードとか聞きたいなって。

ヤミ市でツボに砂詰めて上の方だけ砂糖入れて、全部砂糖だ!って売ったら、 すげー儲かって、どうのとかいう話を耳にしたことがあるのだが、 当時ガキんちょだった自分は、何のこと言ってるのかよくわかんなかったし。